ペット防災、日頃から備えたい7つのルール

ペットと防災

ペットを飼っている方、避難をすることになった際の対処方法や持ち物は準備されているのでしょうか。日頃から備えて、いざというときに自分とペットの身を守れるようにしましょう。

行政は東日本大震災以降、ペットとともに避難をすることを促進しています。東日本大震災では、ペットを連れて避難ができないため避難せず自宅に留まり、ペットともども被災してしまった家庭や、「少しの間だけ」と飼い主のみが避難し、ペットはお留守番。そして福島県の一部地域においては、福島原子力発電所の件で帰宅困難区域に指定されすぐには戻れず、しばらくの間放浪させられてしまったなどの痛ましい話がありますね。家に帰れなくなるなどとは、誰も想定していなかったでしょう。

この頃は行政も避難所でのペットの受け入れ自体が進んでおらず、避難が長期化している場合については飼い主が保護団体に預けたり、泣く泣く次の里親を探してもらう(所有権を放棄する)などの対応をしていたそうです。

震災により死亡した頭数は、青森県で 31 頭、 岩手県で 602 頭、福島県では約 2,500 頭との報告があります。報告があるだけで、報告がない場合を想定してもかなりの命が犠牲になっていることが考えられますね。

東日本大震災発災以前より、災害時 のペットとの同行避難についての方針、仮設住宅におけるペットの飼養についての方針を定めている自治体はあまり多くはありませんでした。

現在は、東日本大震災の状況を加味して自治体ごとにルールを決めているようです。

自治体によってルールが異なり、避難するにあたってはそのルールに従わなければなりません。環境省も推奨しているのが「同行避難」です。

同行とはいえ、避難所でずっと一緒にいられるかについては自治体により様々ですが、いずれにしても「連れていくこと」は可能な自治体が増えています。

同行避難において必要なことは事前に自治体のホームページをご確認ください。

宮城県仙台市の例を挙げると、7つのポイントがあるようです。(抜粋)

1.最低限のしつけが必要です。

2.所有者明示が大切です。

3.ケージ等で過ごせるように慣らしておきましょう。

4.健康管理を行いましょう。

5.動物用避難用品を確保しておきましょう。

6.動物避難場所を確認・確保しましょう。

7.ご近所でペットの輪を広げましょう。

しつけ

トイレや生活に必要な最低限のしつけは普段から行っているかと思いますが、改めて見直してみましょう。避難所には動物が好きな方だけではなく、苦手な方やアレルギーのある方も同じ場所で過ごすため、飼い主のそばに落ち着いていられるかどうか、ケージに入れたらずっと吠えてしまうということがないかなど今一度確認してみましょう。

所有者明示、避難用品の確保

環境省が提示している所有者明示方法は以下です。

「首輪、名札、マイクロチップ、入れ墨、脚環等、所有明示をするため に動物に装着し、又は施術するものをいう。」(環境省告示第 23号 抜粋)

首輪やマイクロチップが有効ですね。特に何もつけていない場合は、対応策を検討してみましょう。迷子札付きのペット防災バッグも市販されています。

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感想(23件)


避難用品の確保については、人間の防災バックと同じようにペットのための防災バックも作っておくと安心です。荷物になることは確かですが、人間用の支給品はあってもペットのための支給品は後手に回ってしまいがちです。食べなれたフード、ペットシーツなどの衛生用品や水は最低限自分で確保しておきましょう。

日頃からケージに慣れておく

また、ケージ内で過ごせるよう日頃からケージを設置して慣らしておくことも欠かせません。ケージは安心できる場所であることを認識させておけば、環境が違う避難所でのストレスもある程度軽減できるのではないでしょうか

健康状態の把握

定期的な健康診断の受診についてはペットの年齢にもよりますが年に1〜2回、動物病院にて行い、健康状態を把握しておくことが大切です。また、投薬を行っていて定期的に通院が必要な場合も注意が必要ですね。常に飲んでいるお薬を避難バッグに入れておくわけにもいかないので、家庭内で薬の保管場所は共有しておくといいでしょう。

避難場所の把握、ご近所付き合い

自治体によってどこの避難所でもペットを受け入れることができるわけではないため、最寄りの指定避難所でペットの受け入れが可能かどうか、不可の場合はどこなら大丈夫なのかをチェックしておきましょう。

また、ある程度のご近所付き合いも災害の際は大切なツールになるため、普段から挨拶などを交わしてお互いを認知することも大きな手助けになります。近年のご近所付き合いは昔ほど親密ではなくなりましたが、「あそこの家では〇〇を飼っていたな」とご近所さんの記憶の片隅にあると、留守中の災害時に何かの手助けになる可能性もあります。

まとめ

ここまで、ペットとの同行避難の際に必要なことを確認してきました。大切な家族であるペットと離れ離れになることのないように、日頃から準備をしておくことが安心につながります。災害はいつ起こるかわからないため、思い立ったら即準備を行い安心して対応できるよう何でもないときに準備をしておきましょう。

環境省:1.東日本大震災におけるペットの被災概況

仙台市:ペットのための災害対策関連情報

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